BLOG 家づくりを考える。

Part.51 「冬の電気代節約」について考える。

暖房費が年々高くなる中、

「どうにかして冬の電気代を抑えたい…」

「暖房をつけても部屋が暖まりにくいのはなぜ?」

そう感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、暖房費を大きく左右するのは 「断熱の質」 と 「間取りのつくり方」

どちらか一方を意識するだけでは不十分で、この2つがセットになることで冬の快適さと省エネは大きく変わります。

ということで今回は「冬の電気代節約」について考えます。

 

 

■まず知っておきたい「暖房費が上がる家」の特徴

● 家が暖まりにくい理由はこの3つ

・断熱不足(壁・窓・天井の熱が逃げやすい)

・気密不足(すき間から冷気が侵入)

・間取りの温度ムラ(暖房が効きづらい動線や空間の広さ)

特に、吹き抜け・長い廊下・部屋数が多い家は、暖かい空気が逃げやすく“暖まりにくい間取り”になりがちです。

■「断熱」でできる暖房費の節約術

● ① 断熱は“壁”より“窓”が最優先

暖房の熱が逃げる場所の約5〜6割は窓と言われています。
そのため、窓の性能を上げるのが最もコスパの良い暖房費対策です。

おすすめの窓性能

・樹脂サッシ

・Low-E複層ガラス(断熱タイプ)

・できればトリプルガラス

大きな掃き出し窓を多用しすぎず、必要な場所に必要なサイズだけつくるのも重要です。

● ② 床の断熱・基礎断熱

暖房を使っていても「足元が冷える」と暖かさの体感が半減します。
床断熱・基礎断熱のどちらを選ぶにしても、施工精度が低いと暖房費が無駄に。

・床下の隙間を作らない

・気密をセットで考える

・地域に合う断熱工法を選ぶ

こうした見えない部分が暖房費削減に大きく貢献します。

● ③ 気密性能(C値)が暖房費の差をつける

断熱を上げても、すき間が多い家は暖房の暖気が逃げてしまいます。
C値(気密性能)が低いほど“魔法瓶のような家”になり、省エネに。

目安:C値 1.0 以下(理想は0.5以下)

■「間取り」でできる暖房費の節約術

● ① 吹き抜けを作るなら「暖気が逃げない工夫」を

吹き抜けはおしゃれですが、暖房効率は下がりやすい空間です。

対策としては、

・高性能窓を採用

・シーリングファンで空気を循環

・2階に“暖気が溜まるのを活かした”間取り配置

この3つで吹き抜けでも暖まりやすい家になります。

● ② 廊下を最小限にし、空間をコンパクトに

廊下が多いと断熱ラインが切れやすく、暖房効率も悪くなります。
回遊動線 × 空間がつながる間取りにすることで、暖房効率は大きく改善。

・LDKと水回りが近い

・廊下を通らずに部屋へアクセス

・ファミクロを中心にしたコンパクト動線

など、動線を短くすると暖房費は下がります。

● ③ 部屋を細かく仕切りすぎない

冬は暖める空間が多いほど暖房費が上がります。
必要以上に部屋を分けるより、
家族が使う空間はひとつにまとめるほうが省エネに。

特に、

・子ども部屋は可変式

・将来仕切りで対応

・LDKはなるべく一体的に

といった考え方が暖房費削減につながります。

● ④ 日射取得を間取りで味方につける

南側に大きな窓を配置し、

・冬の太陽の熱を取り込む

・日中暖房を使う時間を短くする

という“受動的な暖房”も効果大。

ただし、夏の日差しを遮るもセットで計画する必要があります。

 

■断熱と間取りはセットで考えると暖房費が下がる

断熱だけ良くても、間取りが悪ければ暖房費は下がりません。
逆に、間取りを工夫しても断熱が弱ければ暖まりにくい家になります。

大切なのは、

「断熱 × 気密 × 間取り」の3点を同時に設計すること。

・窓性能
・断熱材のグレード
・暖気が逃げない間取り
・コンパクト動線
・吹き抜けの工夫

これらが組み合わさることで、
少ない暖房で暖まる、冬に強い家が完成します。

■まとめ:暖房費の節約は“家づくりの設計段階”が決め手

・暖房費が高いのは「断熱・気密・間取り」の3つが原因

・最優先は窓性能アップ

・気密性能も暖房費に直結

・吹き抜け・廊下・部屋数に注意

・南側の日射を活用する間取りが効果的

暖房費を抑えたい人ほど、
見えない部分の性能 × 見える部分の間取りの両方から考えることで、冬の快適さと省エネが大きく変わります。

ということで今回は、

「冬の電気代節約」について考えてみました。

ぜひ参考にしてみてください!

次回もお楽しみに!

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