BLOG 家づくりを考える。

Part.49 「暗い南向きの家」について考える。

「南向きの土地だから明るい家になるはず」そう思って家づくりを始めたのに、

完成してみると「思ったより暗い…」「日中でも電気が必要…」

という後悔の声は意外と多く聞かれます。

実は、南向き=明るい家というのは半分正解で半分誤解。

土地の条件、間取り、窓の配置によっては、南向きでも暗くなってしまうことがあります。

ということで今回は「暗い南向きの家」について考えます。

 

 

■南側が空いているとは限らない(周辺環境の影響)

南向きの土地でも、隣家が近い・建物が高い・道路面が狭いなどの条件があると日射が入りにくくなります。

  • 南側に3階建ての家が建っている

  • 道路が狭く、正面の家が近い

  • 隣がマンションで日陰ができる

  • 木や塀が光を遮っている

「土地は南向き」でも、光を遮るものがあれば意味がありません。

■奥行きのあるLDKは“奥が暗くなる”のが普通

最近は20〜25帖ほどの広いLDKが人気ですが、

窓に対して奥行きのある空間ほど奥が暗くなるという特性があります。

明るくしたい場合のポイント

・中庭やテラスから採光を取る

・室内窓で光を奥までつなげる

LDKの広さだけで明るさは決まらず、

光の“入り方”を計算しないと暗くなりがちです。

つまりプラン次第で南側のLDKが暗くなってしまうということです。

■軒の出が深すぎて光を遮っている

夏には強い日差しを遮る役割の「軒の出」。

しかし、深すぎる軒は冬の太陽まで遮ってしまい、家の中が暗く・寒くなる原因になります。

軒の出は“季節ごとの太陽の角度”で決める

・夏:高い角度 → 軒で遮る

・冬:低い角度 → 奥まで光を届けたい

このバランスを取らないと、南向きでも暗い家になってしまいます。

 

■内装の色や質感も“明るさ”を左右する

同じ光量でも、

・壁が濃い色

・天井が暗い色

・床がウォールナットなど濃茶

・キッチン背面が黒系

このように吸光性の高い色が多い家は、暗く見えやすいのが特徴です。

逆に…

・白・薄いグレー

・明るい木目

・壁面をツヤのある素材にする

・ガラスや反射材を活用する

などで空間はぐっと明るく見えるようになります。

■設計で明るさは大きく変わる。

明るい家をつくるには、
“南向き”という単純な条件よりも、間取り・窓・周辺環境の方が重要です。

明るい家にしたい場合は…

・南側の隣家との距離

・窓の高さと大きさ

・LDKの奥行き

・吹き抜け・中庭の採用

・軒の出の調整

・内装色のバランス

これらをトータルで考える必要があります。

南向きの土地であっても、設計次第で「暗い家」にも「光がいっぱいの家」にもなります。

ということで今回は、

「暗い南向きの家」について考えてみました。

ぜひ参考にしてみてください!

次回もお楽しみに!

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