BLOG 家づくりを考える。

Part.30 「木造の家と火事」について考える。

お客様とお話をしていると、住宅の造りとして

「木造住宅」と「鉄骨住宅」のイメージが強いようです。

では、火事の際どちらが強いと思いますか?

木造住宅は「火事に弱い」「燃えやすい」というイメージを

持たれ、逆に、鉄骨は炎を近づけても燃え上がることがないので、

火事のときも安心と考えている人が多いようです。

 

実は木造は火事に強い。

 

「木造住宅は燃えやすい」というイメージは根強いものですが、

木造住宅には、火事が起きたときに燃えて崩れるまでの時間が

かなり長いという特性があります。

同じサイズの木と鉄に、住宅と同じような荷重をかけながら燃やすと、

鉄は5分後には強度が元の半分以下になります。

さらに10分後には元の強度の20%程度になり、

荷重で曲がってしまいます。

 

しかし、木は10分間燃やし続けても表面が炭化するのみで、

内側までは燃えずに80%程度の高い強度をキープします。

燃えた木の表面が炭化するとそれがバリアのような役目を果たし、

内側の部分に炎によるダメージが到達しにくくなるためです。

この性質のおかげで木は燃えても「一気に強度が下がる」

ということがないため、万が一の火事のときでも

避難のために十分な時間をかけられます。

崩れ落ちる前に消火ができれば被害も最小限におさえることができます。

 

さらに、木造住宅は有毒ガスの発生量が比較的少ないです。

火災のときに、家が燃えることによって発生した

一酸化炭素のほか、塩化水素やアンモニアといった有毒ガスを吸い込み、

意識を失ってしまうことが、火事の恐ろしさの一つです。

この点、木造住宅は自然素材なので、火災時の有毒ガスの発生を

おさえられます。

もちろん木が燃えることで一酸化炭素や二酸化炭素は発生しますが、

自然の素材である木材は、人工素材に比べると有毒ガスの発生量は

かなり少ない傾向にあります。

 

どんな家を計画すべきか。

 

これから家を建てるという人は、火事に強い準耐火建築物として

設計建築するのがおすすめです。

 

最近では火を使わないIH調理器具やオール電化の家も人気です。

そして、家を建てるにあたって地域の人とコミュニケーションを

取ることも、もらい火や放火といったトラブルを

防ぐことにつながります。

 

木造の家は、火事に遭ったときでも十分な強度を保ってくれるという

大きなメリットがあることを覚えておきましょう。

 

ということで今回は、

「木造の家と火事」について考えてみました。

ぜひ参考にしてみてください!

次回もお楽しみに!

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